ゲームのリアリティ崩壊 どこまでOK?
みなさんこんにちは
Team仁のneuです
去年の12月に発売されたNintendo Switch用ソフト『ゼノブレイド2』
発売後もエキスパンションパス(追加コンテンツ)や無料アップデートなど長く遊べるようなサポートが行われているのだが、3月2日に予定されているアップデートでアドバンスドニューゲーム(所謂2周目要素)の追加が予想されている。
このアドバンスドニューゲームの内容を抜き出してみると、
・カムイ、ザンテツ、ラゴウ、オオツチといったイーラ側のブレイドをプレイヤーのブレイドとして仲間にすることができます。
・加えてイーラ勢からヨシツネ、ベンケイ、サタヒコをブレイドとして仲間にすることができます。
・すべてのブレイドの傭兵団への派遣が可能となります。併せて、ホムラ、ヒカリといった一周目ではエンゲージから外せなかったブレイドも外せるようになります。
・ドライバーの「裏キズナリング」の解放とさらなる成長要素が追加されます。
・ドライバーのレベルを宿屋でレベルダウンさせることができ、下げたレベルに応じたボーナスEXPを獲得することができます。
・あるブレイドのLv4の必殺技が解放されます。
さて、今回の話題は上記の内容の1つ目と2つ目について。
この前RimとSplatoon2を遊んでいるときに『ゼノブレイド2』のアドバンスドニューゲームの話題になった。その中でもイーラ勢*1がブレイドとして仲間にできるということについて彼と意見が食い違った。
イーラ勢を仲間にするのはゲーム序盤からすでに可能らしく、リアルタイムレンタリング*2のムービーシーンでは敵にも味方にもイーラがいるなんてことが起こってしまう。この件についてゼノブレイド2総監督の高橋哲哉氏はプロダクションノート(上記リンクに同じ)で
彼らはすべてのコアクリスタルから同調させること(またはクエストで出会って仲間になること)が可能となります。当然、序盤であっても、コモン・コアクリスタルからであっても出現する可能性もあります。ストーリー的には破綻をきたしてしまう仕様ですが、それよりもゲームとしての楽しさを優先させていただきました。ぜひ彼らを同調させて遊んでください。
と述べている。
私はこういう開発者の遊び心溢れる仕様は大好きなのだが、Rimとしてはゲームの世界観が崩れるのが嫌らしく、「せめて(二周目の)ストーリークリア後に解放して欲しかった」と言っていた。
確かに同じキャラが画面に二人登場したらリアリティは一気に崩壊する。私はゲームに限らず小説、映画、ドラマ、漫画などで最も大事なことはリアリティだと思っているので、彼の意見も同意はできないが納得はした。
『ジョジョの奇妙な冒険第4部 ダイヤモンドは砕けない』のキャラクター岸辺露伴(漫画家)は、「『おもしろいマンガ』というものはどうすれば描けるか知っているかね? 」と問い、その後
「『リアリティ』だよ! 『リアリティ』こそが作品に生命を吹き込むエネルギーであり 『リアリティ』こそがエンターテイメントなのさ」
と答えている。
リアリティ=リアルでは無い。リアリティとはその世界に説得力があるかということであり、その作品内で現実的かということ。ゼルダの伝説BotWで動物を倒した瞬間に肉にボンッと変わることは何も違和感はない。しかしモンスターハンターの世界において討伐したモンスターがボンッと肉や皮、宝玉になったらどうだろうか?そこにリアリティがあるとはとても言えない。その世界にはその世界でルールがある。ゼルダにはゼルダの、モンハンにはモンハンのルールがあり、そのルールに従って世界は形成されている。もしもそのルールから外れてしまった場合、例えばファイナルファンタジー7のクラウドがドラゴンクエストの主人公のように何も喋らなければ、あの別れの場面は違和感だらけになってしまうだろう。
おまけ漫画やアニメのNG集など、サブカルチャーは製作者自らがリアリティを崩すことが多い。ゲームについてもそれは同じで、かまいたちの夜のおまけであったり、ゴールデンアイ007のチートモードなどそのようなものは昔から存在する。コラボコスチュームなどもその一例だ。そう考えるとリアリティーを任意で崩せるというのもゲームの一つの醍醐味な気がしてくる。
話をゼノブレイド2に戻そう。そもそも2周目要素、強くてニューゲーム自体リアリティを崩壊させるものだし、ならばその中で敵が味方になっても全然いいのではなかろうか、これが私の考えだ。ただ、これは線引きの問題なのだろう。彼が許せるリアリティ崩壊の範囲は私よりも狭く、私の範囲は彼よりも広い。どちらの方がいいというのは無いし、あるのであれば高橋総監督もあんな注釈はつけないはずだ。
リアリティの崩壊をどこまでを面白いとし、どこからをNGとするのか。一度、自身の物差しを確認してみるといいかもしれない。